2018年04月18日

『遥か2』SS「帰還前夜」後編

幸花SS後編です。
よろしければ。


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帰還前夜(後編)


その晩、ごくごく内輪で婚姻の儀が行われた。
あらかじめこれが単なる形式である旨を告げられていた八葉たちは、宴への出席を見合わせた。
もっとも、花梨が幸鷹と共に元の世界に帰ることは事実なので、彼らの胸のうちはそれなりに複雑だ。

五行の気の流れを読んだ泰継が帰還の日を定め、幸鷹は院や帝をはじめとする白河や内裏の要人に次々と面会して、事情説明と挨拶に努めた。
検非違使庁の業務は「完璧な引き継ぎ書」のおかげでスムーズに進んだが、藤原家の氏長者である兄や、宇治に隠居している義母の元を訪れる必要もあり、幸鷹が再び四条の尼の邸に立ち寄れたのは、なんと帰還の前夜だった。

闇に包まれた簀子縁を、紫姫がかざす手燭の灯りを頼りに歩く。
よほど待ちかねたのか、御簾の向こうで花梨が弾かれたように立ち上がった。
「幸鷹さん!」
「神子殿、大変お待たせして申し訳ありませんでした」
幸鷹が御簾をくぐるのを見届けると、紫姫は「お帰りになられる際には声をおかけくださいませ」と、再び簀子縁を戻っていく。
その背中に
「ありがとう、紫姫! 眠くなったら寝ちゃって大丈夫だからね〜!」
と、花梨は声をかけた。

(神子殿らしい…)と思いつつ、幸鷹は懐から書き付けを取り出す。
「では早速、明日の仔細を確認いたしましょうか」
「はい!」
何時に行動を開始し、どのような手順を経て準備を整えるか。身支度や、持参する物品の数々……。
それらを確かめた後は、時空を超える際、離れ離れになっても会えるように、互いの住所や連絡方法を記したメモを交換する。

幸鷹は実家が八年前と同じ場所にあるかも不明なので、海外の住所や祖父母の住所も含めたさまざまな情報を花梨に託した。
「どれか一つでも、神子殿につながればと思いまして」
「幸鷹さん…」
アルファベットと日本語で丁寧に書かれたメモを受け取った花梨は、大切にお守り袋に入れ、身に着ける。
「私、何があっても絶対に幸鷹さんを探し出しますから」
「もちろん私も全力を尽くします」
二人は互いの決意を確認するかのように、見つめ合った。

「あ、あの……私、幸鷹さんに受け取ってもらいたいものがあるんです」
しばらく後、花梨がためらいがちに口を開く。
「受け取ってもらいたいもの…ですか?」
「はい」
花梨は後ろを振り返ると、二階棚に置いた文箱の中から和綴じの冊子を取り出した。
「これを……持っていてほしいんです」
「…これは?」
パラパラとめくってみると、中には慣れない筆で一生懸命つづった文章がかなりの分量記されていた。

「八葉のみんなや、千歳、紫姫や深苑くん、尼君のおばあさまにもいろいろ聞いて、幸鷹さんがこの世界に来てからの八年間のことを、なるべく詳しく書いてみたんです」
「私が来てから…ですか? こんなに克明に…。さぞかし大変だったでしょう。ありがとうございます」
そう礼を言いながらも、「けれどなぜ?」と、幸鷹は目で問い掛ける。
「あの、ほら、何ていうか、卒業アルバム……みたいな? 幸鷹さんが、後になってもこちらのことを思い出せるように。写真は充電切れで撮れなかったから、何か代わりになるものを、と思ったんです」
あわてたように言葉を並べる花梨が本心を口にしていない気がして、そのまま静かに見つめた。
徐々に、花梨の表情に翳りが落ちる。

「それにもし……もし、時空を渡るときに、私も幸鷹さんもお互いのことを忘れてしまって……二度と会うことができなくなったら………。
幸鷹さんが記憶のない八年間について一人で悩むことになってしまったら……。
せめて、この冊子を読んで、この京でとても有意義に過ごしたんだと……素晴らしい八年間だったんだと思えたらいいなって……。
たとえ内容が信じられなくて、おとぎ話に思えたとしても……」
「…!」
幸鷹は花梨が、自分よりずっと悲観的な未来図を描いていることに驚いた。
確かに時空を渡る旅で、自分と花梨に何が起こるかはまったくわからない。二人が同じ時空にたどりつけるのか、お互いのことを覚えていられるのか、再会が叶うのか…。
もしすべてが失われて、幸鷹が空白の八年だけを抱えて元の世界に戻ることになってしまったら。
花梨がそれを心配して、この長い物語を懸命につづってくれたのだとわかる。

「…この短い期間に、ずいぶんご苦労されたことでしょう」
「ううん、そんなことないです。八葉のみんなが訪ねてきて、私の知らない話をたくさん聞かせてくれたし。あ、翡翠さんは、伊予で初めて幸鷹さんに会ったときの話もしてくれたんですよ」
「翡翠殿が?! どの部分ですか? 彼が素直に真実を語るとは思えません」
猛然と中身を読み出した幸鷹を、花梨はあわてて止める。
「よ、読むのは後にしてください。誤字とか絶対たくさんあるし…。でも、何とか今日中に渡したかったんです。間に合ってよかった」
「?」
「お誕生日おめでとうございます、幸鷹さん」
「え…」
「1月15日、ですよね。今の私には、こんなものしかプレゼントできないけど」
「…!!」

京にいた年月、彼が誕生日という概念を思い出すことはなかった。
何かの話のついでに教えたその日付を、花梨はしっかりと覚えていてくれたのだろうか。

黙りこんだ幸鷹に気づかずに、花梨は頬を染めて言葉を継ぐ。
「紫姫は、何かきちんとした物を用意すると言ってくれたんです。でも、私はもう龍神の神子じゃないし、自分でできる『精一杯』を贈るほうがいいかなって。
もうちょっと字がうまかったらよかったんですけど、読みにくかったらごめんなさ…」
言い終わる前に、幸鷹に抱きしめられていた。
「…幸鷹さん?」
「たとえどれだけ離れた時空に飛ばされようと、たとえすべての記憶を消されようと、私は必ずあなたを見つけます、神子殿。いえ……花梨さん」
「!」
「あなたはいつも『精一杯』を私にくださる。ですから私は、決してあなたを見失うことはしないとここに誓います。どうか私を信じてください」

衣を通して、幸鷹の体温が伝わってくる。
やわらかい、けれど二度と花梨を手離すことはないという決意を込めた抱擁。
「……はい。私も絶対にもう一度幸鷹さんに会いたいから。幸鷹さんを信じます」
目を潤ませながら微笑み返す花梨は、誰よりも美しかった。

幸鷹は軽く咳払いすると、
「…では、もう一つ誕生日プレゼントをいただいてもいいですか? 花梨さん」
と言いながら、少女の頬を掌で包んだ。
「え? でもほかには…」
戸惑う花梨に、少しいたずらっぽく笑いかける。
「物ではありません。そして念のために言うと、熱を測るわけでもありませんよ」
「え? あ……」
ようやく状況を悟った花梨の頬がぽっと色づく。
ゆっくりと顔を傾けた幸鷹は、ついに愛おしい少女の桜色の唇に触れたのだった。

* * *

翌日。
よく晴れた空の下、花梨と幸鷹を見送るべく、久々に八葉が勢ぞろいした。
「それが花梨の世界の男の服装なのか?」
もの珍しそうに、勝真が幸鷹の服装を眺める。
制服姿に戻った花梨の横で、幸鷹はスーツ(に可能な限り似せた服)を着用していた。
向こうの世界にいきなり放り出されても大丈夫なように、という花梨と紫姫の心遣いだった。

別れのあいさつが何度も交わされた後、泰継が呪を唱え、時空の狭間がゆっくりと姿を現す。
「花梨さん」
「はい、行きましょう、幸鷹さん」
見送りの八葉たちに深々と頭を下げた後、二人は手をつなぎ、狭間の中へと足を踏み入れる。
「そのように頼りないつなぎ方では、神子殿を守れまい。別当殿、しっかりと抱きしめたまえ」
「!? 翡翠ど…」
幸鷹が振り向いたとき、すでに声の主の姿は見えなかった。

「……」
「幸鷹さん」
「…不本意ですが、ここはあの男の助言に従いましょう」
ゴウッと、うなるような気が彼方から押し寄せてくる。
「花梨さん、失礼します」
言うなり、幸鷹は花梨を胸の中に閉じ込めた。
「どんな激流の中でも、あなたを離さずに済むように」
「…! 幸鷹さん、私も!」

必死にしがみついてくる少女を固く抱きしめる。
耳を弄するような轟音とともに、液体でも気体でもない「何か」の奔流が、二人を飲み込んだ。
すさまじい衝撃の中で、ぎゅっと目を閉じ、互いの温もりだけを頼りに時空を超える。
真冬の異世界、京から初秋の現代に。
怨霊の跋扈する平安京から、コンクリートとアスファルトが覆う世界に。
900年の時と次元の隔たりを超えて。

いきなり、明るい光が降り注いだ。
唐突に現れた青空の下、花梨と幸鷹は抱き合ったまま、立ち尽くす。
涼やかに響く鐘の音が、花梨の母校から聞こえてきた。
「「…!!」」

ここから、二人の新しい物語が始まる……。


*********** 完 ***********


クイズ:幸鷹さんは花梨ちゃんを何回抱きしめたでしょう?
と、聞きたくなるくらい抱きしめすぎだっ!!
すみません。

この後の物語は、サイトのほうの「エンディング後」で書いていますので、よろしければご覧ください。
おつきあいありがとうございました!

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2018年04月15日

『遥か2』SS「帰還前夜」前編

幸鷹さんのお誕生日用に書いていたSSが、あきれるほどの遅刻の末、何とか仕上がったのでアップしておきます。
後編はすぐアップできるはずです(^_^;)。
神泉苑での最終戦闘が終わった直後からのお話になります。
もちろん、うちのサイトは幸花です!!

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帰還前夜(前編)


「神子殿」
「幸鷹さん…」
まぶしく輝く天から、愛おしい少女が舞い降りてくる。
龍神から彼女を取り戻した幸鷹は、万感の想いを込めて華奢な身体を抱きしめた。
「もう決して離しません、神子殿」
「幸鷹さん、私も、私もずっとそばに……わた……あれ?」
桜色に染めた頬を寄せ、囁き返した花梨は、小さな手のひらを幸鷹の額に滑らせた。
「……神子殿…?」
「ゆ、幸鷹さん、もしかして……」
突然、ゴチンと音が出る勢いで幸鷹の額に自分の額をぶつける。
「熱! すごい熱があるじゃないですか!!」
「…はい…?」

(もしかすると今日の決戦で、命を落とすかもしれない)
そう考えた幸鷹が、徹夜に徹夜を重ねて完ぺきな引き継ぎ書を作ったツケが、一気に回ってきたのだった。
京に平和は戻ったものの、以後数日間にわたり検非違使別当兼中納言、藤原幸鷹は療養を余儀なくされる。
しかも、場所は自邸ではなく……。

* * *

「寒くないですか? 薬湯、ちゃんと飲みましたよね?」
気づかわし気な声に、幸鷹は重い瞼を上げた。
彼の目に入らない位置に灯された灯りが、辺りをぼんやりと照らしている。

病に伏せる幸鷹の寝所は、母屋の中央に据えた御帳台ではなく、塗籠の中に設えられていた。
「いくら几帳で囲んでも、母屋は寒いから」という花梨の意見が聞き入れられたのである。
青白い額に浮かんだ汗を拭いながら、花梨は、ずれた衾を掛け直した。

本来、夫婦でもない男女が、このような密閉空間で二人きりで会うのは大いにはばかられることなのだが、目下高熱を発している幸鷹にそれを判断する余裕はない。
そもそも彼が担ぎ込まれたのは、自邸ではなく、四条の尼の邸。
親戚筋ではあるものの、これ自体も異例なことだった。
「京を救った龍神の神子の希望は何でも叶えるように」との、院と帝双方からの命がすべての異論を封じていた。
もっとも花梨は、それがどれほど異例なことか、まったく気づいてはいなかったが。

「……神子…殿…?」
「苦しいですか? すぐに手ぬぐいを換えますからね。お水、飲みますか?」
幸鷹がかすかにうなずくと、花梨は彼の頭をそっと膝に乗せ、土器(かわらけ)に入れた水を唇に当てた。
数口飲むとすぐに目を閉じ、そのまま意識を失ってしまう。
花梨は角盥の中から手ぬぐいを取り出すと、軽く絞って幸鷹の額の上の物と取り替えた。
「…早く治ってくださいね…」
祈るようにつぶやき、熱で火照る頬に唇を落とした。

* * *

「なるほど。そうやって別当殿はまんまと婿に入り込んだというわけだね」
「な、何を言っているのですか、あなたは!!」
花梨が厨から膳を運んで来ると、塗籠の中からよく通る笑い声が聞こえた。
「…翡翠さん…?」
戸が開け放たれ、明るい光が差し込む寝所を覗くと、幸鷹の傍らに長い手足をもてあまし気味な翡翠が座っていた。

「やあ、かわいい人。ようやく花の顔(かんばせ)を見せてくれたね。この男に君を独占させるのは、そろそろ終わりにしてくれまいか」
「ですからそういう人聞きの悪い言い方は…!」
花梨はうれしそうに笑うと、膳を抱えたまま二人のそばに座る。
「やっぱり幸鷹さんは、翡翠さんがいると元気になりますね」
「神子殿、これは元気になっているわけでは」
「おやおや、別当殿をここまで快復させたのは神子殿の功績だろう? どうやらそれも彼のためのようだね」
翡翠が膳を指差すと、「あ」と花梨は声を上げた。

「まだ試作だからちゃんとおいしいかどうかわからないんです。幸鷹さんがまた具合悪くなっちゃったらどうしようって、ちょっと悩んでたんで……」
「ならば私がいただこうか?」
「翡翠殿、結構です。神子殿は私のために作ってくださったのですから」
「う〜ん、でも、病人で人体実験するのは気が引けるなあ〜」
「人体じっ…」
「卵と牛乳……それに蜂蜜といったところかな? 確かに滋養はつきそうだ」
花梨と幸鷹がためらっている間に、翡翠はちゃっかり試食を終えていた。
「翡翠殿! 陸の上でまで海賊行為はお控えください!」
花梨は思わず吹き出す。
幸鷹がこの邸に来てから、すでに4日がたっていた。

「…これは、プディング…ですか?」
風のように翡翠が去った後、茶碗を手にした幸鷹は尋ねた。
「あ、はい。プリンです。蒸す火加減が難しくて、ちょっとモソモソしてるかも…」
「懐かしい味です。そういえば子どものころ、熱を出すと母が作ってくれましたね」
目に優しい光を宿す彼の横顔を見ながら、花梨は言葉を継いだ。
「風邪の定番のバナナとか、アイスクリームはさすがに用意できないから、できる範囲での『精一杯』です。もう何回かチャレンジすれば、もっとおいしくできると思いますよ」
「神子殿、ありがとうございます。しかし、私もいつまでも寝付いてはいられません。翡翠殿が言っていたように、すでに困った事態になっているようですし…」
「え?」

茶碗を膳に戻すと、幸鷹は姿勢を正して花梨を正面から見つめた。
「このままなら、私はあなたを妻として娶ることになるのです」
「…? …?」
「将来的なことではありません。今日、明日にでも、です」
「……?! ええええええっっ?!?」

* * *

平安期の結婚
男性が女性の元に通う「妻問婚」が一般的。
三日続けて通い、最後の夜に餅を食べる「三日餅(みかのもちひ)」の儀式や、結婚を周囲に公にする「露顕(ところあらわし)」の儀を経て婚姻が成立する。

* * *

「ちょ、ちょっと待ってください! じゃあ、あのとき倒れたのがほかの八葉で、その人をここに運び込んでも同じことになったんですか?!」
青ざめた花梨は、思わず幸鷹の着物の袖をつかんで尋ねた。
「もちろんです。もっとも皆は、あなたが私の腕の中に戻ってきたのを見て、この邸に運ぶことを許したのだと思いますが……」
「そ、そうなんだ……」
幸鷹は、花梨の手が震えていることに気づく。
「神子殿…?」
「よ、よかった。幸鷹さんが倒れたのはちっともよくないけど……幸鷹さんでよかった……」
「……」

冷たくなった花梨の手を両手で包み込むと、幸鷹は口を開いた。
「神子殿、あなたは元の世界に戻られる方です。こちらの世界のしきたりに過剰に縛られる必要はありません。
ただ、申し訳ありませんが今回は、あなたが私の妻となり、共に異世界に帰った……という形を取るのが最もわかりやすく、あなたの名誉を守ることにもなると思います。ですので、儀式を形式的に行うことだけはお許しくださいますか」
「儀式…?」
不安そうに見つめる花梨を安心させるように微笑む。
「尼君と相談する必要がありますが、ごく内輪の宴を行うだけで済むと思います。そこにご出席いただければ、ほかにお手を煩わせることはありません」

だが、花梨の表情は明るくならなかった。
しばらくうつむいた後、ぽつりとつぶやく。
「……幸鷹さんはいいんですか? 私なんかを」
「神子殿?」
「その、形式的だとしても、お、お嫁さんにしちゃって……」
「神子殿」
次の瞬間、花梨は侍従の香りの中にいた。
幸鷹が両腕を広げ、彼女を抱きしめていたのだ。

「あなたをもう決して離さないと、あのときお伝えしたはずです」
「で、でも、結婚ですよ?!」
「残念ながら、形式的な、です。神子殿、わかっていただきたいのですが、この事態に気づいてから私はずっと、『約束を反故にしてあなたをこの世界にとどめ、このまま本当の妻にしてしまう』という誘惑と戦い続けているのですよ」
「そ、そんな…!」
腕の中で、少女がぱあっと頬を染める。
その愛らしさに、幸鷹は思わず彼女をさらに引き寄せた。
「そのようにかわいらしい顔をされると、せっかくの決意がまた揺らぎそうです」
「幸鷹さん…」
熱を帯びたばら色の頬を掌で包み込み、軽く上を向かせる。
花梨は目を丸くして、幸鷹を見つめた。

互いの唇が触れ合う直前。
「あ」
声を発した花梨は、なぜか突然ぐいっと背筋を伸ばした。
「!? 神子殿…?!」
「よかった! すっかり平熱に戻りましたね!」
「…え…?」

愛しい少女は幸鷹の額に額をくっつけ、ニコニコと笑っていた。
「ぶり返したら大変ですから、もう無理しちゃダメですよ、幸鷹さん」
「……あ、はい…」
美しく清らかな龍神の神子の笑みに、なぜか打ち据えられたような気持ちになって幸鷹は素直にうなずく。

(そうだ、この方はいろいろと……鈍いのだった…)
と、心の中でつぶやきながら、名残惜しげに抱擁を解くのだった。

(後編につづく)************

以下、コメントお礼です(WALLYさん)。

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posted by 管理人 at 16:23| 遙か

2018年04月10日

花々が咲き競う季節に

今年の桜はあっという間に散ってしまいましたが、花の季節はまだまだこれからです。
外出先で、家のご近所で、美しく咲き競う花たちを見るのは本当に楽しいですね。

先日訪れた横浜公園のチューリップ。
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横浜DeNAベイスターズの本拠地、横浜スタジアムの横で見事に咲き揃っていました。
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公園内には69品種16万本のチューリップが植えられているのだそうで、そりゃ〜迫力があるはずです。
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「とってもきれいだけど、これは何という名前のチューリップなのかな?」という疑問に答えてくれるのが、名札付きで作られたこのコーナー(↓)。
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八重咲きのくちなしか芍薬のように華やかな白いチューリップは「ホワイトバレー」でした。
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ポピーのような色合いのチューリップは「オレンジキャシーニ」
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白地にピンク色がかわいらしいのは「ホーランドチック」。こういう咲き方を「ユリ咲き」と呼ぶのだそうです。
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深みのある朱色の「オレンジファンアイク」フランドル(現在のオランダ、ベルギー、フランスの一部にあたる地域)を代表する画家の名前が付けられているだけに、何かありがたみを感じてしまいます(笑)。

ここからは名前が不明ですが、見事だったお花をご紹介。
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これ、もはやチューリップには見えないほどの八重咲きです。サイズが違うけれどマリーゴールドっぽい?
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花びらに入ったストライプがゴージャスな真紅の花。なぜかIKKOさんの髪型を思い出してしまいました(^▽^;)。
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かわいらしいピンクのチューリップ。うっすら黄色が入っています。
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黄色と朱色が鮮やかです。この花の形だと、花弁が開ききってもきれいですね。
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最後は、たまたまロマンチックな感じに撮れた一枚を。
品種改良の成果だと思いますが、本当にいろいろな色と形を楽しむことができました。
毎年恒例のチューリップ祭りは、4月13〜15日に開催されるそうです。


さて、続いてはわが家のご近所のお花をご紹介。
いつもはゴールデンウイーク前に咲き始める石楠花が、早くも咲き出していました。
鷹通さん、あなたの好きなお花ですよ〜揺れるハート
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ツツジ科の花だけに、花の形がよく似ていますね。ブーケのようにまとまって咲くため、ぐっと華やかに見えます。
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私が一番好きなのは、この白にうっすらピンク色が混じった種類(↓)。清楚で、鷹通さんも喜びそうです。
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藤棚のはまだ開花したばかり。今週中には見ごろを迎えそうです。
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対照的に、そろそろシーズンが終わるのが椿
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多弁の乙女椿という品種だと思います。
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スピログラフで描いた図形のように端整で、神秘的です。

そして、今まさに花盛りを迎えているのがハナミズキ
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地元の「市の花」は百日紅(サルスベリ)ですが、市内にはハナミズキの街路樹も多くて、今の季節は散歩するのが楽しいです。
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いろいろな色がありますね〜。
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最後は、同じく盛りを迎えている八重桜
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濃いピンク色の花と、桜餅のような葉が、花鞠のようにまとまって咲いているのがとても愛らしいです。

こんなにさまざまな花を、一度に楽しめるなんてやっぱり最高の季節ですよね〜。
八重桜が散って、ツツジが満開を迎えると、その後にやってくるのはバラの季節です。
今年は神代植物公園のバラフェスタの時期も少し早まるかな?
ぜひまた足を運びたいと思っています!

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posted by 管理人 at 13:00| 萌え園芸

2018年04月07日

『リメンバー・ミー』見てきました!(ネタバレなし)

地元映画館にK女史をお迎えして、『リメンバー・ミー』を見てまいりました。
地元では吹き替え版しか上映していないので、あらかじめ予想はできたのですが、見事にお子様がずら〜っと並んでいました。
そりゃあそうだ、ディズニー映画だもの。

上映前の予告の段階ですでに飽き始めている子もチラホラいる中、最初に流れたのは『アナと雪の女王/家族の思い出』
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なつかしの『アナ雪』の続編です。
吹き替え版なので、声は松たか子さん神田沙也加さんピエール瀧さんと、おなじみの面子です。
何か、本編よりもさらに立体感が増したような……。
ちらっと顔見世的なオマケではなく、22分かけてちゃんとエピソードが描かれています。
この季節に見るにはちょっと…というクリスマスのお話なのですが、考えてみれば雪の世界を描くのが『アナ雪』の醍醐味。
美しい冬の景色を楽しめます。

そして、本編が開始。
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初っ端からメキシコの色鮮やかで明るい世界感に引き込まれます。
主人公の境遇を絵物語風に説明する冒頭の表現は傑作!
芸術作品と言っても過言ではありません。

物語の舞台は、年に一度の「死者の日」
亡くなった先祖たちがわが家に帰ってくるという、日本のお盆にあたる日なので、死生観も含めて日本人にはわかりやすいと思います。
ただ、とにかくこの行事が色鮮やかで!
ポスターにも使われているオレンジ色の花がいたるところに飾られていて、「さすが、太陽の国!」と驚かされます。
キャンドルの光の描かれ方もとても美しいです。

主人公は、音楽を禁じられた一家で育ちながらミュージシャンを夢見る少年、ミゲル
たとえ家族を捨ててでも、音楽の道に進みたいという強い想いが、彼を「死者の国」へと導きます。
そこで出会ったのは、自宅の祭壇に飾られていたご先祖たち。
そして、どうにかして生者の国に行きたいともがく、うさんくさい死者、ヘクターでした…。

このミゲルの吹き替えをしている石橋陽彩くんが、ものすごい美声です!!
公式で公開されているのは、シシド・カフカさんによる主題歌、『リメンバー・ミー』ですが、YouTubeで検索すると、石橋くんが歌うバージョンも(多分)聞くことができます。
本当に素晴らしい声ですから、ぜひぜひ聞いてみてください!
演技力もばっちりで、観客を映画の世界にあっという間に引き込んでくれます。
メキシコが誇るミュージシャン、エルネスト・デラクルス役の橋本さとしさんの歌唱も素晴らしいです。
ミュージカルの舞台を数多く踏まれているだけありますね。

それ以外のキャストさんは、声優さんはもちろんですが、俳優さんたちも違和感なく声をあてていらっしゃいます。
なので、吹き替え版は大人も見る価値あり! ですよ〜。
ちなみに途中で退屈して騒いでいたお子さんたちも、クライマックスでは画面にひきつけられてすっかりおとなしくなっていました。

ピクサー作品らしく、人間の描き方にひねりがあって感動させられます。
絶対泣く! 
とても温かい涙を流すことができます。
見終わった感想は、「ちゃんとお墓参りに行こう」でした。
ご先祖様への感謝は本当に大切ですね。

主題歌『リメンバー・ミー』はとても耳に残る美しい旋律(『アナ雪』「レット・イット・ゴー」と同じ作曲者だそうです)で、映画の後に何度も自然と口ずさんでしまいました。

リメンバー・ミー お別れだけど
リメンバー・ミー 忘れないで…


この続きは公式ページで。
画面の隅々まで美しいので、映画館での観賞を強くおススメします!!

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posted by 管理人 at 23:57| 舞台・映画レビュー